先日、日経新聞でこんな記事を目にしました。
東武鉄道が、愛犬と一緒にケージレスで乗車できる貸切列車を企画している、という話題です。
この企画は、東武トップツアーズによる事業でもあり、
「愛犬と公共交通で移動する」という体験を、現実的な選択肢として提示した点で、とても象徴的だと感じました。
とはいえ、この記事を読んでこう思った方も多いかもしれません。
「うちは車移動が中心だし、正直あまり関係ないかな」
今日は、そんな方にこそ読んでいただきたいお話です。
車移動が中心の暮らしでは、 愛犬 電車 移動 は“想定外”になりやすい
日常の移動はほぼ車。
買い物も、通院も、旅行も、基本はマイカー。
こうした暮らしでは、愛犬との移動も自然と「車前提」になります。
その結果、
- 電車に乗せる必要性を感じない
- むしろ、乗せないほうがいい気がする
- 「慣れさせなくても困らない」と判断する
こうした選択になりやすいのも、無理はありません。
ただ、ひとつだけお伝えしたいのは――
「今は必要なくても、将来も不要とは限らない」という点です。
“万が一”や“もしかすると”は、ある日突然やってくる
- 車が使えない状況になった
- 旅行先で公共交通を使う必要が出た
- 家族構成や住環境が変わった
こうした変化は、珍しいことではありません。
そして、そのとき初めて
「そういえば、電車に乗せたことがなかった」
と気づくケースも少なくないのです。
成犬になってからでは、順化はどうしても難しい

ここで重要になるのが、社会化期という考え方です。
犬には、
音・揺れ・人の気配・閉鎖空間などを
「当たり前の刺激」として受け止めやすい時期があります。
この時期を過ぎてから初体験が重なると、
- 強い緊張
- 不安行動
- 移動そのものが苦手になる
といった反応が出やすくなります。
だからこそ私は、
「乗るかもしれない未来」への備えとして、
一駅二駅だけでも電車を経験させておくこと
をおすすめしています。
地下鉄やトンネルは、犬にとって別物の空間
ここで、少し専門的な話をします。
地下鉄や長いトンネルでは、
- 気圧の変化
- 空気の流れの変化
- 低周波音
が同時に起こります。
これは、人間でも
「耳がツーンとする」「違和感がある」
と感じるあの感覚と同じです。
犬は人よりも感覚が鋭いため、
この変化をストレス刺激として受け取りやすいとされています。
雷や台風の気圧変化で不安になる犬がいるのも、
同じ仕組みです。
僕自身の失敗談:経験が“抜けていた”だけだった

実はこれは、僕自身の原体験でもあります。
一人暮らしをしていた頃、
仕事柄、愛犬を連れて電車移動する機会はありました。
ただ、路線の関係で
地下鉄や長いトンネルを通る経験がなかった。
その結果、
地下に入った瞬間から強いストレス反応が出るようになってしまいました。
「できない犬」だったわけではありません。
ただ単に、知らない刺激だっただけなのです。
だから「これから犬を飼う人の相談会」で伝えています
One for Dogの
「これから犬を飼う人の相談会」では、
- 今しかできない取り組みを逃さないこと
- 各家庭の暮らし方に合わせて
“起こり得る未来”を一緒に考えること
を大切にしています。
電車移動の話も、そのひとつです。
- 乗らないかもしれない
- でも、乗るかもしれない
- そのときに選択肢を残しておく
これは、しつけというより
愛犬と暮らす人生の設計だと考えています。
まとめ|「乗せるため」ではなく、「選択肢を増やすために」
愛犬を電車に乗せることが目的ではありません。
- 移動のストレスを減らす
- 旅の選択肢を広げる
- 飼い主さん自身の不安を減らす
そのための“経験値”を、
社会化期のうちに、少しだけ積んでおく。
それだけで、
愛犬との暮らしは、ぐっと自由になります。
これから犬を迎えるご家族には、
ぜひこの視点も知っていただけたら嬉しいです。
▶ これから犬を飼う人の相談会
愛犬の性格やご家庭の暮らし方に合わせて、
「今しかできない取り組み」を一緒に整理しています。
