これは、著者である僕の息子が「犬の殺処分はなぜなくならないのか?」というテーマで自由研究を行い、それを紹介した記事です。
実はこのページ、季節柄なのか最近になってアクセスが再び伸びてきています。
そこで今回は、夏休みシーズン到来ということで、自由研究づくりのヒントになるような振り返りをしていみたいと思います。
自由研究の構成を深掘りしてみる

① 研究をはじめた理由
きっかけは一本のテレビ番組でした。
捨てられた犬の保護活動やボランティアの取り組みに興味を持った息子。
そこから「なぜ殺処分はゼロにならないのか?」という素朴な疑問が生まれ、小学6年生なりに調査を始めました。
② 調査結果
埼玉県の公式サイトをもとに殺処分数の推移をグラフでまとめ、数年で大幅に減少していることを視覚的に表現。
背景となる自治体の取り組みにも着目しています。
③ 埼玉県の取り組み
飼い主への返還促進、譲渡機会の拡大、安易な引き取りを減らすなど、実際の施策を簡潔に整理。
「殺処分を減らすには人の努力が必要だ」ということを伝えています。
④ その一方…
成功例がある一方で、「実態は厳しいまま」という視点も忘れずに。
社会課題としての複雑さを、子どもなりにしっかり理解しようとした跡が見えます。
日独の犬の迎え入れ方の違いを図解

研究の中でも注目されたのが、「ペット先進国ドイツ」と「日本」の違いを図解で比較したページです。
- ドイツ: ブリーダーや保護団体が飼育条件を重視し、飼い主と面談
- 日本: 人気犬種が優先され、条件に合わなくても流通してしまう
息子はこの違いを見て、「本当はペットショップ=悪ではなくて、もっと家族で話をした上で迎えるべき」と記していました。
犬を迎える前に考えてほしいこと
「犬を捨てよう」と思って飼う人はいません。
でも、結果的に「飼えなくなった」人が後を絶ちません。
その背景には、「犬との暮らしを正しくイメージできていなかった」ことがあるのです。
- サイズや食費の見通し
- お散歩の頻度やしつけの大変さ
- 高齢になった時の介護のこと
難しい内容だからこそ、親子で話すことが大切だと実感しました。
犬の種類や特徴にも注目

研究の終盤では、図鑑的に犬種の特徴や役割をまとめたページもあります。
ジャパンケネルクラブの犬種区分をもとに、犬にはそれぞれ得意なことがあり、暮らし方にも向き不向きがあることを伝えています。
まとめの一文に込めた想い
「その犬のことをよく知らないで飼うと、最後は犬だけがかわいそうになる」
「ペットショップ・ブリーダー・飼い主が、みんなで犬のことを考えられるようになれば、殺処分もなくなると思います」
この文章に、すべてが詰まっている気がします。
子どもの言葉だからこそ、まっすぐに届くものがありますね。
今年の夏、「イヌの学び舎」で自由研究してみませんか?
2025年8月2日(土)に開催される、無印良品 東武動物公園駅前店「むじるしのなつぞらひろば」では、
One for Dogによる【イヌの学び舎】を開催します。
「犬をまだ飼っていない子どもたち」にこそ届けたい。
犬の気持ち、習性、選び方、そして“飼う前にできること”。
この自由研究のように、子ども自身が学び、考え、発表する体験は、未来の犬文化を変えていく力になると信じています。