K9ゲームという考え方と、芝生で犬と楽しむ会
犬との暮らしにおいて、
「遊び」と「しつけ」は、別のものだと思われがちです。
遊びはリフレッシュ。
しつけはトレーニング。
そんなふうに切り分けて考えている方も、多いのではないでしょうか。
しかし実は、
遊びの中にこそ、しつけの本質がある
そんな考え方があります。
ゲームとしつけを融合した考え方がある

お座り、待て、呼び戻し。
これらは本来、練習として教え込むものではありません。
- どんな状況でも人の合図に意識を戻せるか
- 興奮しても行動をコントロールできるか
- 人と呼吸を合わせて動けるか
こうした力は、
「遊び」の中でこそ自然に育つものです。
この発想を体系化した人物がいます。
考案者はイアン・ダンバー

この考え方を提唱したのが、
世界的な獣医師・動物行動学者である
イアン・ダンバー 博士です。
ダンバー博士は、
- 罰に頼らない
- 褒めて伸ばす
- 家庭犬としての社会性を重視する
という思想を一貫して提唱してきました。
しつけとは、命令を覚えさせることではなく、
犬と人との関係性を育てること。
この思想を、
誰もが体験できる「形」にしたものがあります。
それが K9ゲーム
その思想を、
イベントとして具現化したのが K9ゲームです。
K9ゲームは、
家庭犬と飼い主がチームとなり、
日常のしつけをゲームとして楽しむプログラム。
勝つことが目的ではありません。
評価されるための競技でもありません。
あくまで、
遊びの中で、結果的にしつけが育つ
そのプロセスを楽しむ場です。
日本では
K9 Games Japan を中心に普及しています。
K9ゲームのラインナップが育てているもの
K9ゲームの各種目は、
すべて「家庭犬に必要な力」を育てるために設計されています。
ミュージカルチェア
音楽が止まったら指示を聞くゲーム。
興奮下での自己制御を育てます。
ドギーダッシュ
合図を理解して動く力。
先走らず、人の指示を待つ関係づくり。
ディスタンスキャッチ
集中力と衝動コントロール。
飛びつく前に考える力を育てます。
KONG・レトリーブ
持ってくる・離す・終わる。
遊びにルールを作る力。
テイク&ドロップ
くわえる・離すを通じて、
主導権を人に委ねる練習。
犬とワルツ
犬と人が同じリズムで動くゲーム。
協調性と同調性を育てます。
リコールリレー
速さより大切なのは確実さ。
命を守る呼び戻しの練習。
ジョーパップリレー
他犬・他人がいる中で行動する力。
社会化の集大成です。
ワンワンリレー
吠える・吠えないを切り替える。
吠えを否定せず、使いどころを教える発想。
どれも特別な芸ではありません。
すべて、暮らしの中で必要な力です。
ただし、K9ゲームは少しハードルが高いと感じる人もいる
K9ゲームは、とても完成度の高い取り組みです。
一方で、
- 大会
- 競技
- イベント
という形式に、
「ちょっとハードルが高い」と感じる飼い主さんもいます。
そこで考えました。
もっと日常に、もっと気軽に

K9ゲームが示してくれた
「遊びの中に、しつけがある」という思想。
それを、
- 競わず
- 評価せず
- 日常の延長で
体験できる場として形にしたのが、
芝生で犬と楽しむ会です。
芝生の上で、
追いかけっこをしたり、
簡単なゲームをしたり、
ただ一緒に動いてみる。
でも実はその中で、
- 人の合図を聞く
- 周囲に意識を向ける
- 興奮をコントロールする
そんな「しつけの土台」が、自然と育っています。
まとめ
- ゲームとしつけを融合した考え方がある
- その考案者は イアン・ダンバー
- それを形にしたのが K9ゲーム
- そして、その思想を暮らしの中へ落としたのが
芝生で犬と楽しむ会
犬と遊ぶことは、甘やかすことではありません。
正しく遊べば、それは立派なしつけになります。
「何を教えるか」ではなく、
「どう関わるか」。
そのヒントが、
K9ゲームと、芝生で犬と楽しむ会には詰まっています。
