子犬のじゃれ噛み、撫でて誘っていませんか?「褒めているつもり」の落とし穴

飼い主が差し出した手に、口を開けてじゃれつくトイプードルの子犬 愛犬文化ジャーナル

子犬の「じゃれ噛み(じゃれ咬み)」は、多くの飼い主さんが通る道です。

「歯の生え変わりで、むず痒いのかな?」
「ストレスが溜まっているのかな?」

理由はいろいろ考えられますが、意外と見落とされがちなのが、飼い主さん自身による「誘発」です。

もちろん、わざと噛ませているわけではありません。
むしろ、可愛がっているつもりの行動が、じゃれ噛みのきっかけになっていることがあるんです。

子犬は、いつ見ても可愛いものです。

寝ていても、座っていても、こちらを見ているだけでも可愛い。
そうなると、見ているだけでは物足りない。

ついつい手が伸びて、撫でたくなります。

そして、その手が伸びる絶好のタイミングが、「褒めるとき」です。

「上手にできたね!」
「お利口さん!」

そう言いながら、頭や身体をわしゃわしゃ。

しつけ教室でもよく見かける光景ですが、僕たちはいつの間にか、「褒めること=撫でること」と考えてしまいがちです。

「撫でている」から「褒められている」とは限らない!?

ここで一つ、確認したいことがあります。

飼い主さんは褒めているつもりでも、子犬はそれを嬉しいこととして受け取っているでしょうか。

撫でられることが好きな犬は、もちろんいます。
ただし、いつでも、どこでも、どんな触り方でも嬉しいとは限りません。

僕たちだって、くつろいでいるときや何かに集中しているときに、やたらと身体を触られたら、遠慮したくなることもあるはずです。

子犬も、触られ続けることを負担に感じる場合があります。
一方で、伸びてきた手を見て、遊びのスイッチが入ることもあります。

飼い主さんとしては、
「よくできたね」と伝えたかった。

ところが、子犬に伝わったのは、
「さあ、手で遊ぼう!」だった。

せっかく落ち着いて座っていたのに、褒めたつもりの行動で、じゃれ噛みが始まってしまう。

そんなすれ違いが起きているかもしれません。

人間の手は、世界最高峰のおもちゃ

頭上に差し出された飼い主の手を見上げ、口を開けるトイプードルの子犬

子犬にとって、人間の手は魅力的です。

目の前で動く。
近づいたり、離れたりする。
口を当てると、飼い主さんも反応してくれる。

いわば、世界最高峰のおもちゃです。

そんな手を目の前に差し出しておきながら、
「どうして噛むの!」と言われても、子犬としては困ってしまいます。

じゃれ噛みを見直すときは、「噛んだあとにどうするか」だけでなく、「噛み始める前に、こちらが何をしていたか」にも目を向けてみてください。

褒めようとして手を伸ばした。
可愛くて、何度も頭を撫でた。
手を追いかけてくるのが面白くて、つい動かした。

その関わり方が、遊びへのお誘いになっていることもあるんです。

手を伸ばす前に、声をかけてみる

両手を膝に置いて優しく声をかける飼い主と、お座りして顔を見上げるトイプードルの子犬

撫でるとじゃれ噛みが始まってしまう子には、褒めるたびに手を出す習慣を、いったんお休みしてみましょう。

まずは、声で伝える練習です。

「いいね」
「そうそう」
「上手だね」

大げさな英語も、特別な演技も必要ありません。
普段の言葉で、目の前の子に伝えるつもりで声をかけてみてください。

ただし、言葉だけで最初から意味が伝わるとは限りません。

声をかけたあとに、その子が好きなごほうびを渡す。
一緒に遊ぶ。

そうした経験を重ねながら、「その声が聞こえると、いいことがある」と覚えてもらいます。

手が動くのを待つだけでなく、飼い主さんの声にも耳を傾けてもらう。
これも、コミュニケーションを育てる大切な一歩です。

身体に触れる練習は、少しずつ

もちろん、ボディタッチも大切です。

お手入れや健康管理のためにも、安心して身体を触らせてくれる関係はつくっていきたいところです。

ここで整理したいのは、「ごほうびとして撫でること」と、「触られることに慣れてもらう練習」は、目的が違うということです。

まだ触られることに慣れていない子なら、身体に短く触れるところから。

無理なく受け入れられたら、手を離して「よし」と声をかけ、ごほうびを渡す。

「撫でたのだから、ごほうびになっているはず」と考えず、触られる経験そのものを、嬉しいことにつなげていきます。

嫌がるまで触り続けず、安心して受け入れられる範囲で、少しずつ進めましょう。

褒め方の答えは、子犬の反応にある

撫でたあと、もっと触ってほしそうに近づいてくるのか。
手を追いかけて、噛み始めるのか。
顔をそむけたり、離れていったりするのか。

その反応に、次の関わり方のヒントがあります。

撫でられて嬉しい子もいれば、遊びたくなる子もいる。
今は触ってほしくない子もいる。

だからこそ、「褒めたいから撫でる」の前に、「今、この子には何が嬉しいだろう?」と考えてみてほしいんです。

じゃれ噛みが気になったら、子犬に「噛まないで」と伝える前に、こちらの手の出し方を振り返ってみてください。

「撫でている」から「褒められている」とは限りません。

大切なのは、こちらが褒めたつもりになっているかではなく、子犬にどう伝わっているか。

可愛いからこそ触りたい。
その気持ちを少し待って、まずは声をかけてみる。

そこから、子犬とのやり取りが変わるかもしれません。

愛犬との接し方を、一緒に学びませんか?

子犬のじゃれ噛みや、褒め方・伝え方に迷ったら、One for Dogの『飼い主さんが学ぶしつけ教室』へ。

愛犬の反応を見ながら、毎日の暮らしに活かせるコミュニケーションを一緒に学んでいきましょう。

しつけ教室
“今一時”の積み重ねが、“今後一生”をつくる。問題行動を直すのではなく、問題行動にならない関わり方を学びます。One for Dogのしつけ教室とはOne for Dogのしつけ教室は、犬をコントロールする場所ではありません。飼い主さんが、…