犬が人間社会で暮らすということは、私たちのルールの中で生きるということ。
でもその“ルール”を、犬たちは誰から教わるのでしょうか。
僕は思うんです。犬にまず教えるべきは「しつけ」ではなく、「人間語」だと。
犬のしつけ方教室、再び。
先日、宮代町環境資源課さんから一通のメールが届きました。
件名は「犬のしつけ方講座の実施について」。
そう、毎年恒例になった“町のしつけ教室”のご依頼です。
来年(2026年)は3月開催予定。
その頃に子犬を迎えたご家庭には、町から案内が届くと思います。
すべての飼い主さんが、しつけ教室を必要としていない理由
この講座に集まる人の中には、「無料だから」と参加する方も多い。
その敷居の低さから、「なんとなくわかった」「裏ワザはなかった」──
そう思って帰っていく方もいるようです。
しつけはそんなに簡単じゃない。
けれど、そこまで学ぶ覚悟がない人に、どこまで届けられるか。
プロが苦労するのは、そこです。
でも、それって飼い主さんのせい?
違うと思うんです。
「学び」にコストをかける文化が、まだ育っていないだけ。
だったらいっそ、生体価格に含めてしまえばいい。
“義務教育”のように、犬を迎えたら必ず受ける仕組みを作る。
これが僕の持論です。
「伝わらない」という壁。
先日、見かけた近所の外国人ご家族。
子どもたちに目をやると、車道で遊んでいたんです。
危ないと思っても、言葉が通じない。
ジェスチャーをしても伝わらない。
文化の違いよりも、「言葉が通じない」ことが問題なのだと実感しました。
犬たちも同じです。
犬は人間の言葉を知りません。
でも、人間社会のルールの中で生きています。
だから、まず教えるべきは「人間語」。
「おすわり」や「まて」といったコマンドを通し、言語を理解してもらう。
それから、“今はどうしてほしいのか”という意味を、時間をかけて教えるのです。
人間語=生きるためのルール。
僕らが英語を学ぶとき、雰囲気で学ぶことはありません。
まずはアルファベットから一つずつ。
犬たちも同じです。
社会で暮らすためには、「言葉の意味」を一つずつ理解していく学びが必要。
それを省略しては、共生は成り立ちません。

画像犬にも教育を受ける権利を。
僕は、「犬にも教育を受ける権利がある」と思っています。
人間社会で暮らす以上、それは“マナー教育”ではなく、“生きるための言語教育”。
しつけよりも先に、通じ合うこと。
それが、犬と人が幸せに暮らすための最初の一歩です。
あなたの愛犬は、どんな「人間語」を理解していますか?
そして、あなたは愛犬の「犬語」をどれだけ聞き取れていますか?
犬たちにまず教えるべきは、しつけよりも「人間語」です。
