五月病は犬にもある?|愛犬の“やる気”とモチベーターの話

トレーニングルームで飼い主さんと向き合いながらオヤツを見つめるトイプードル 愛犬文化ジャーナル

GWが終わり、少しずつ日常が戻ってくる5月。

なんとなく身体が重かったり、
やる気が出なかったり。

いわゆる「五月病」なんて言葉も、この時期になるとよく耳にします。

では、犬たちにも五月病はあるのでしょうか?

結論から言えば、たぶんありません。
少なくとも、「連休明けで会社に行きたくない…」みたいな感覚はないと思います。

ただ、ひとつ言えることがあります。

それは、愛犬たちにも“やる気の波”はあるということです。

犬は“無意味な繰り返し”を嫌う

ドッグトレーニングでは、基本的に反復練習を行います。

「おすわり」
「待て」
「おいで」

何度も繰り返しながら、少しずつ覚えていく。

これは、僕たち人間で言えば、漢字の書き取り練習みたいなものです。

最初は新鮮でも、だんだん飽きてくる。

実際、海外のブリーダーが話していた言葉で、とても印象に残っているものがあります。

「犬は無意味な繰り返しを嫌う」

まさにその通りだと思います。

特に賢い犬ほど、
「それ、何の意味があるの?」
という顔をし始める。

だからこそ、ドッグトレーニングには“モチベーター”が欠かせません。

モチベーター=オヤツ、ではない

おもちゃや知育玩具を使いながら遊びを楽しむトイプードルと飼い主さん

モチベーター。
簡単に言えば、「その子にとってのご褒美」です。

そして、多くの場合、
それはオヤツです。

食べ物はわかりやすいし、
反応も良い。

だから、トレーニングでもよく使われます。

でも、ここで気を付けなければいけないのが、

「モチベーター=オヤツ」

と決めつけてしまうこと。

例えば、
食が細い子もいます。

好き嫌いが激しい子もいます。

そもそも、そのオヤツが好みじゃないこともある。

そうなると、
どれだけ差し出しても、
その子にとっては“ご褒美”ではありません。

「ゲーム買ってあげる」では動かない子もいる

例えば、子どもにこう言ったとします。

「テストで100点取ったら、ゲーム買ってあげる!」

でも、その子がゲームに興味なかったらどうでしょう?

きっと、
「いや、別に…」
となるはずです。

これは犬も同じ。

「これを覚えたら、散歩が楽しくなるからね」

そう説明しても、
愛犬たちは理解してくれません。

だからこそ、
ドッグトレーニングとはまず、

“その子が何を喜びと感じているのか”

を見極めるところから始まります。

モチベーターが“ない”子もいる

知育玩具を使って愛犬の好みを探しながらコミュニケーションを取る飼い主さん

さらに難しいケースもあります。

それが、
そもそもモチベーターが少ない子。

  • 食に興味が薄い
  • オモチャ遊びをしてこなかった
  • 興奮経験が少ない
  • 好きなことが育っていない

こういうタイプです。

実は、こういう子は、どんなドッグトレーナーでも手を焼きます。

なぜなら、
“やる理由”が見つからないから。

なので僕の場合、
こういうケースでは、しつけを一度中断します。

まず始めるのは、
モチベーターの開拓だからです。

パピー期は“好き”を探す時期でもある

だからこそ、
特にパピー期には、

「何が好きなんだろう?」
をたくさん探してほしいと思っています。

  • どんな食べ物が好き?
  • どんな遊びが好き?
  • どんな声掛けに反応する?
  • どんなオモチャに目が輝く?

もし見つからなければ、
色々提案してみる。

これが、実はとても大切です。

愛犬たちは、飼い主さんの魅力に惹かれている

ドッグトレーニングにおける“主従関係”という言葉は、昔から色々な解釈があります。

でも僕は、
「魅力」
だと思っています。

  • いつも美味しいものを持っている
  • いつも楽しい遊びを知っている
  • 一緒にいると楽しい

だからこそ、
愛犬たちは、
少し退屈な反復練習にも付き合ってくれる。

つまり、
飼い主さん自身が“モチベーター”になっているんです。

「オヤツのためなら何でもする」は才能です

オヤツをモチベーターにしながらアイコンタクトを取るトイプードルと飼い主さん

「うちのコ、オヤツのためなら何でもするんですよ」

時々、そんな話を聞きます。

でも実はそれ、
ドッグトレーニングでは“才能”です。

なぜなら、
モチベーターが明確だから。

やる気を引き出しやすいということは、
学習効率も上がるということです。

どんよりしやすい5月だからこそ

夕方の散歩道で飼い主さんを見上げながら歩くトイプードル

なんとなく気持ちが沈みやすい5月。

でも、そんな時期だからこそ、
愛犬の「好き」を探してみるのも面白いかもしれません。

好きなオヤツ。
好きな遊び。
好きな声掛け。

愛犬の“やる気スイッチ”を知ることは、
コミュニケーションを深める第一歩です。

そしてそれは、
しつけのためだけではなく、
これから先の暮らしを、もっと楽しくしてくれるはずです。

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