早速ですが本題です。
トリマーの技術を身につけるのは簡単なことではありません。
シザーを持ち、毛量や骨格を見極め、犬の気持ちを察しながら仕上げていく──。
その習得には、長い年月と場数が必要です。
だからこそ、One for Dogでは “飼い主さんができること” に焦点を当てています。
ブラッシング、爪切り、耳掃除。
これらを「プロに任せる」だけでなく、「自分でもできるようになる」こと。
それが、犬と人との信頼関係を深める最初の一歩だと考えています。
教えるという仕事にも、技術がいる
トリマーが犬を扱う技術を磨くように、“人に教える技術”もまた、学びが必要です。
犬の反応を読むことと同じくらい、飼い主さんの不安や戸惑いを汲み取る力が求められます。
「できない」のではなく、「わからない」だけ。
その境界を丁寧にほどいていくのが、僕たちの仕事です。
One for Dogは、お手入れ教室専門店。
飼い主さんに特化した指導を提供しています。
飼い主さんが上達する秘訣
お手入れが上手になる飼い主さんには、共通点があります。
その共通点を4つにまとめてみました。
① まずは“グルーミング”に徹底する
「カットをやりたい!」という気持ちはとても素敵ですが、相手は愛犬です。
飼い主さんがお手入れをやるようになったことを、愛犬が“認めてくれる”ことが先決。
信頼関係ができて初めて、犬は身を委ねてくれるようになります。
焦らず、まずはシャンプー&ブローなどの基本を極めましょう。
② プロの道具に頼らない
技術がある人が扱う道具と、そうでない人が扱う道具は違います。
プロが愛用しているからといって、飼い主さんにも最適とは限りません。
大切なのは「扱いやすさ」と「安全性」。
ご家庭に合ったツールを選ぶことが上達への近道です。
③ 高望みをしない
デザインカットやオールシザーなどに憧れる気持ちは分かりますが、最初から完成度を求めすぎると、手が止まってしまいます。
まずは“お手入れを続けられること”を目標に。
④ 上手になるまではトリマーと二人三脚で
「自分でなんとかしよう」と思う気持ちは素晴らしいこと。
でも、技術が伴っていなければ、お手入れの難易度はどんどん上がってしまいます。
被毛のもつれや爪の伸びすぎ、皮膚トラブルなど──。
無理に続けようとすると、せっかく築いた信頼関係を崩してしまうこともあります。
だからこそ、定期的にトリマーにメンテナンスをお願いすることが大切です。
トリマーは“仕上げる人”であると同時に、“支える人”。
飼い主さんと一緒に愛犬のコンディションを整え、お互いの得意分野を補い合うことが、上達を早める一番の近道です。
飼い主さんを上達させる秘訣
一方で、教える側──つまりトリマーにも“教える技術”が求められます。
この部分を間違えると、せっかくの努力が報われません。
① トリマーが学んできたことをそのままスライドしない
プロの教育と、飼い主教育は目的が違います。
“綺麗に仕上げること”ではなく、“自分でできるようになること”。
同じ技術でも、伝え方を変える必要があります。
② トリマーが良しとする基準を下げる
プロの基準で評価すれば、誰だって「まだまだ」です。
でも、飼い主さんの世界では、「犬が嫌がらなくなった」「最後までできた」が立派な成果です。
評価の軸を変えることが、モチベーションにつながります。
③ 目的は“仕上げる”ことではなく、“技術を身に着けさせる”こと
トリマーが代わりに仕上げてしまえば、飼い主さんの成長は止まります。
少し不格好でも、できた経験を積ませることが最も大切です。
そのためには、教える側が“待てる人”でなければいけません。
教えるにだって技術がある 丨飼い主教育を“事業化”する新提案
こうした「教える技術」もまた、飼い主さんにとって欠かせない学びのひとつです。
One for Dogでは、全国のトリマーやサロン向けにそのノウハウを体系化した「お手入れ教室導入講座」を提供しています。
続けるほど、関係が変わる
最初はぎこちなくても、続けていくうちに、犬が心を開いてくれる瞬間が必ず訪れます。
飼い主さんの手つきが変わり、
声のかけ方が変わり、
愛犬の表情が変わる。
その変化こそが、僕たちにとって最高の“成果”です。
トリマーがカットで形をつくるように、飼い主さんが手で関係をつくっていく──そんな文化を広げていきたいと思っています。
犬を教えることも、人に教えることも、技術がいる。
だからこそ、僕は「教えるプロ」でありたい。
One for Dogは今日も、飼い主さんの“できるようになる”を応援しています。














