現場の本音を、あえて代弁します
結論から言います。
トリミングサロンは、電話での問い合わせや営業を好みません。
誤解のないようにお伝えしておくと、
「電話が嫌い」「話したくない」という感情論ではありません。
理由はただ一つ、作業を中断されたくないからです。
ここだけ切り取ると、どんな業種でも同じに聞こえるかもしれません。
しかし、トリミングという仕事には、他の接客業とは少し違う事情があります。
今日はその部分を、現場に立つトリマーの立場から、代弁する形でお伝えします。
トリミングサロン 電話営業 対応中、犬たちはどうなっているのか
そもそも電話が鳴るタイミングを、僕たちは選ぶことができません。
となると、多くの場合、トリミングテーブルの上で犬たちを施術しています。
電話に出ている数分間、傍で待たせることもあります。
ですが、安全面や犬への負担を考えれば、本来は一度ケージに戻すべき状況です。
つまり電話一本で、
- 犬を移動させ
- 作業を止め
- 再度セットし直す
という工程が発生します。
カット中の犬たちは「常に立止」の状態
トリミング、特にカット作業は、犬たちを立たせたままで行います。
オスワリの状態では、形を作ることができないためです。
また、カット中は被毛をコームで立ち上げ、
繰り返し繰り返しシルエットを整えながら仕上げています。
ここで姿勢が崩れると、
せっかく立毛させた被毛が寝てしまい、形が崩れてしまいます。
一度崩れた被毛は、簡単には戻りません

「また立ち上げればいい」と思われるかもしれませんが、現実はそう簡単ではありません。
- 再度コーミングが必要
- 毛羽立ちが出る
- 結果として、もう一度切り直しが必要
つまり、二度手間になります。
時間が延びるということは、
その分、犬への負担も増えるということです。
作業のリズムが崩れると、犬たちまでも嫌がります
例えば爪切り。
途中で中断されると、犬たちは「終わった」と勘違いします。
その状態で再開すると、
「もう終わったのに!」
と感じてしまい、嫌がるケースも少なくありません。
また、電話が鳴ることで
「お迎えが来た」と思い込み、興奮してしまう子もいます。
そうなると、落ち着くまでに時間がかかり、作業全体が延びてしまいます。
シャンプー中は、物理的に中断できません

泡だらけ、びしょ濡れの状態で、
受話器を取りに行くことは現実的ではありません。
無理に対応すれば、
犬の安全にも関わります。
接客が中断されるリスク
トリミング前後のオーダー確認や報告は、
仕上がりを左右する重要な時間です。
ここで話が中断され、
- 聞きそびれ
- 伝え忘れ
が起きれば、クレームやトラブルにつながる可能性もあります。
では、いつ連絡するのが良いのか
基本的には夕方以降、業務終了後がベストです。
トリマーには、
「きっちり決まったお昼休み」がないことがほとんど。
だからこそ、仕事が一段落した時間帯が、最も落ち着いて話ができるタイミングになります。
せっかく営業をするのであれば、
相手の印象を悪くする時間帯は避け、
「この人、現場のことを分かっているな」
と思ってもらえる方が、結果的に成立しやすいはずです。
お客様からの連絡について

一方で、お客様からの連絡は別です。
- 愛犬の体調不良
- 渋滞や遅延
- 急な変更
こうした連絡は、遠慮せずに入れてください。
ただし、LINEなどのツールを導入しているお店であれば、
テキストで要件が分かる連絡の方が、現場としては非常に助かります。
さいごに
今日は、
トリマーが言いにくいことを、あえて矢面に立ってお伝えしました。
あくまで、
「知ってもらえたら、お互いに少し楽になる」
という主旨です。
どうかお気を悪くなさらないでください。
……とはいえ、営業をかける前には、
“そのサロンが何を大切にしているお店なのか”
と、ホームページくらいは確認しておいてもらえると、正直うれしいです。
