先日、とても心に残るレッスンがありました。
参加されたのは、お手入れ教室を修了された生徒さん。
そして連れてきてくれたのは…グループホームで暮らすトイプードルちゃん(12歳)です。
実はこの子、元・保護犬。
今は、とあるグループホームで“入居犬”として、利用者さんたちに寄り添って暮らしています。
グループホームで暮らすトイプードルとの出会い
きっかけは、生徒さんからのご連絡でした。
グループホームのトイプードルちゃんを、レッスンのモデル犬として連れて行きたい。
爪も耳も気になるし、自分が少しでもケアをしてあげたい。
こうして、特別な“追加レッスン”としてお迎えすることになったのです。
生徒さんが動いた「このままじゃいけない」の一歩
看護師をされているその生徒さんによると、最近では福祉施設で「ペット共生型」を導入するケースも増えているそうです。
しかし、犬の管理体制はまだまだ発展途上。
シャンプーはしてもらえても、爪は伸び放題、お耳も痒そう…。
見かねた生徒さんは、管理者さんと交渉し、最低限のケアだけでも自分がしてあげたいと決意しました。
犬にやさしい方法を学んだ手が違いを生む
当日は僕もサポートに入りながら施術しましたが、とても協力的でお利口さん。
無事にすべてのケアを終えることができました。
生徒さんが言った一言が印象的でした。
「たまにシャンプーくらいはしてもらっているそうなのですが、それでもやっぱり見違えますね」
それもそのはず。
自己流ではなく、犬にとってやさしい方法をきちんと学んできた人の手だからです。

トリマー不足の時代に生まれる“ アマチュアトリマー ”
思えば今や、トリマー不足は深刻な社会課題。
すべての犬にプロの手が届けば理想ですが、現実はそうはいきません。
だからこそ、こうして“学んだ飼い主さん”の手を借りるという選択肢も大切だと思うのです。
僕は勝手に「 アマチュアトリマー 」と呼んでいます。
プロの技術や判断力は不可欠ですが、それを一部でも担える人が増えることは、犬たちにとっても福祉的なはずです。
犬を取り巻く環境そのものを整えるために
忘れてはいけないのは、ケアが必要なのは犬の身体だけでなく「犬を取り巻く環境」そのものだということ。
今回のレッスンは、犬の福祉や社会課題の入り口に立つきっかけになりました。
こうした一歩が、未来のスタンダードになっていくことを願っています。
まとめ
犬の“かわいそう”を減らす手は、きっとたくさんあります。
そのひとつが「学んだ飼い主さん= アマチュアトリマー 」の存在です。
あなたも愛犬のケアを学んでみませんか?