今週末はハロウィン。
ハロウィンといえば、「トリック・オア・トリート!」。
「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」でおなじみの言葉です。
犬と暮らす皆さんにとっても、「トリート」は身近なものではないでしょうか。
そう、愛犬のおやつです。
しつけやドッグトレーニングでも活躍するトリートですが、ただ食べてもらえばいいというものでもありません。
何を、どんな場面で、どのタイミングで使うのか。
今回は、愛犬の「もう一回やってみよう!」を引き出す、ご褒美のお話です。
犬のしつけにおやつを使うのは、やる気のきっかけをつくるため
「おやつで釣っているみたいで、ちょっと…」
しつけにおやつを使うことに、そんな印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
でも、人だって、頑張った先に楽しみがあれば張り合いが出るもの。
犬にとっても、「これをしたら、うれしいことがあった」という経験は、次の行動につながるきっかけになります。
こうした、やる気を引き出すものを「モチベーター」と呼びます。
おやつは、その一つ。
オモチャで遊ぶことや、飼い主さんと一緒に楽しむことが、ご褒美になる犬もいます。
大切なのは、飼い主さんがあげたいものではなく、そのとき、愛犬がうれしいと感じるものを選ぶことです。
ご褒美は、いつものドッグフードでもいい?
普段のドッグフードで喜んで取り組めるなら、それをご褒美として使っても構いません。
一日に食べる分から取り分けておけば、食事量も管理しやすくなります。
ただ、いつでもフードだけでうまくいくとは限りません。
家ではできていた「オスワリ」が、外ではなかなかできない。
ほかの犬や人が気になって、飼い主さんの声が届きにくい。
新しい課題に挑戦したら、急に取り組まなくなった。
そんなときには、ご褒美の魅力が、その場の難しさに見合っていないこともあります。
「家ではできるのに、どうして?」
そう思ったら、周囲の環境や教え方と一緒に、ご褒美も見直してみましょう。
繰り返すと飽きる?トレーニングには工夫も必要
ドッグトレーニングに欠かせないのが、繰り返しの練習です。
一度できたからといって、いつでも、どこでもできるようになるわけではありません。
とはいえ、同じことを何度も繰り返していると、犬も集中しにくくなることがあります。
「オスワリ。もう一回オスワリ。はい、もう一回」
飼い主さんは練習のつもりでも、犬にとって楽しみが乏しければ、だんだん気持ちが離れてしまうことも。
さらに、取り組む課題が難しくなると、何をすればいいのかわからず、動きが止まってしまう場合もあります。
そんなときこそ、モチベーターの出番です。
おやつを変えてみたり、途中でオモチャ遊びを挟んだり。
「できたら、いいことがある!」という楽しみをつくってあげましょう。
ただし、集中が切れたら、ご褒美を豪華にして続ければいいわけではありません。
疲れているなら休憩する。
難しすぎるなら、課題を簡単にする。
うまくできたところで、その日の練習を終える。
ご褒美と同じくらい、こうした調整も大切です。
犬のおやつには「ご褒美のグレード」を用意しよう
One for Dogのしつけ教室では、ご褒美を何種類か用意していただくことをおすすめしています。
たとえば、こんなイメージです。
- 普通のご褒美
- ちょっといいご褒美
- 大好きなご褒美
- とっておきのご褒美
いつもの環境で、慣れたことに取り組むなら、普通のご褒美。
初めての場所や、気になるものが多い環境では、ちょっといいご褒美。
新しい課題に挑戦するときには、大好きなご褒美。
というように、状況に合わせて使い分けます。
ここでいう「グレード」は、お値段のことではありません。
高価なおやつより、いつものフードが好きな犬もいるでしょう。
ご褒美の順位を決めるのは、愛犬です。
どれを喜ぶのか、どんな場面なら意欲的に取り組めるのか。普段から観察しておくと、いざというときに役立ちます。

少量ずつ、小分けに。ピルケースも便利です
しつけ教室では、何種類かのおやつを少量ずつ、ピルケースに小分けにして持参する方法もお伝えしています。
仕切りがあるので種類を分けやすく、愛犬の反応を見ながら使い分けられます。
選ぶときのポイントは、次の三つ。
- 小さく分けられること
- 短時間で食べられること
- 愛犬の体質や食事制限に合っていること
大きなおやつを一つ食べ終わるまで待っていると、練習の流れが途切れてしまいます。
ご褒美は、小さくても愛犬が喜べば十分です。
また、練習で食べた分も、一日の食事全体に含まれます。与えた量を把握し、食べすぎにも気を配りましょう。
ピルケースを使う場合は、食品を入れられる清潔なものを選び、薬とは明確に分けてください。保存が必要なおやつは、商品の表示に合わせて管理しましょう。
おやつを与えるタイミングは「してほしい行動ができたとき」

吠える。
飛びつく。
じゃれつく。
困ったとき、とりあえずおやつを出して、その場を収めたくなることもあると思います。
ただ、それが毎回続くと、意図せず「吠えたら、おやつが出てきた」と覚えてしまうことがあります。
ご褒美として使うなら、何ができたことに対して渡すのかをはっきりさせましょう。
たとえば、飛びついてきたとき。
おやつを見せて気をそらすだけで終わらず、四本の足が床についた瞬間や、教えてある「オスワリ」ができた瞬間に、「そう、それでいいよ」と伝えて渡します。
落ち着いてほしいなら、落ち着いているときに。
待ってほしいなら、待てているときに。
困ったことが起きてから対応するだけでなく、普段の「よくできている瞬間」を見つけてあげたいですね。
なお、おやつで誘導して動きを教えることも、トレーニングの方法の一つです。慣れてきたら、手におやつが見えていなくても合図で動けるよう、少しずつ練習していきましょう。
愛犬の「とっておき」を探しに来ませんか?
いつものご褒美もいいけれど、愛犬が目を輝かせるような「とっておき」も見つけておきたいところ。
そんなおやつとの出会いが、11月のイベントにもありそうです。
11月21日(土)は、無印良品 東武動物公園駅前で開催する「第6回 愛犬文化フェス」。
そして、11月23日(月・祝)は、新しい村の芝生広場で開催する「新しい村 DOG FRIENDLY DAY」。
愛犬と一緒に楽しみながら、おやつを扱う出店者さんものぞいてみてください。
「うちの子は、こんなおやつが好きだったんだ!」
そんな発見が、普段のコミュニケーションやトレーニングの楽しみにつながるかもしれません。
ハロウィンは、「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」ですが、愛犬との毎日は、
「よくできたね。はい、ご褒美!」
そんなやり取りを増やしていきましょう。

