ペットロスで後悔しないために。愛犬との別れを前に、今できること

窓辺で椅子に座る人物が、隣にいる柴犬の背中にそっと手を添えて外を眺めている写真 愛犬文化ジャーナル

少し重たいテーマですが、大切なことなので今日はお話しさせてください。

先日、お客様の愛犬が天国へと旅立ちました。
子犬の頃から担当させていただき、今年で9歳。
シニア期ではありましたが、それでも、あまりにも早すぎる旅立ちでした。

しかも、訃報を受けたのは、ちょうどオンラインサロンの生配信日。
その夜、僕なりのペットロスに対する考え方をお話しすることになりました。

愛犬との暮らしには、必ず「別れ」があります。
それは分かっていても、実際にその時が来ると、心が追いつかなくなるものです。

だからこそ今日は、ペットロスで後悔しないために、今からできることについて、僕自身の経験を交えながらお話ししたいと思います。

「死」を教えてくれたのは、歴代の愛犬たちでした

若い頃の男性が、白黒のシーズー犬を抱いて笑顔で写っている写真

僕の祖母は、いわゆる“にわかブリーダー”でした。
そのため、僕は生まれたときから犬に囲まれて育ち、愛犬との暮らしは人生と常に一緒にありました。

つまり、僕にとって「死」を最初に教えてくれたのは、親族よりも先に、歴代の愛犬たちだったのです。

犬と暮らすということは、ただ楽しい時間を過ごすだけではありません。
命を迎え入れるということは、いつかその最期まで向き合うということでもあります。

中でも、一人暮らしを始めてから、初めて自分の意思で迎えた愛犬との別れは、今でも忘れられません。

その子は脾臓のガンを患い、腫瘍は全身に転移。
最期は脳にまで及び、両目の眼球が破裂を繰り返すという、壮絶な闘病生活でした。

もう手の施しようがない状態の中で、僕たちは延命手術ではなく、「最期まで家で過ごす」ことを選びました。

「いつ破裂してもおかしくない」
そんな恐怖と隣り合わせの時間でしたが、それでも僕たちは、その時を静かに見守るしかありませんでした。

今振り返れば、あの経験は、命と向き合う仕事を選んだ僕にとって、愛犬から託された最後の宿題だったのだと思っています。

ペットロスを和らげる考え方があります

縁側のような場所で、女性が柴犬の顔をやさしく包み込むように見つめ合っている写真

そんな経験をした僕ですが、深い悲しみの中でも、完全に心が壊れてしまわずに済んだのは、ある考え方に出会っていたからです。

今から20年ほど前、ニューヨークで活躍する日本人ドッグトレーナーから聞いた話があります。

その方の愛犬も、まさにその夜にも旅立つかもしれない状況でした。
けれど彼は、驚くほど静かに、こう言いました。

「大丈夫です。家族が看取ってくれますし、この日のために、たくさん準備してきましたから」

そして、こんな言葉を続けたのです。

「ペットロスの多くは、“もっとこうしてあげればよかった”という後悔から来ます。
だから僕は、日々たくさんの思い出を作ってきました。
最期の夜に『あんなこともしてあげた、あんな場所にも連れて行けた。うちに来て幸せだったね』と振り返ることができれば、後悔なんて吹き飛ばせます。」

この言葉は、今でも僕の中に残っています。

もちろん、どれだけ準備をしていても、別れはつらいです。
悲しいものは、悲しい。
涙が出るのも当然です。

でもその悲しみの中に、
「もっとできたかもしれない」ではなく、
「できることはやったよね」
と思える気持ちがあるだけで、心の痛みは少し変わってきます。

ペットロスで後悔しないために、今からできること

広い芝生の公園で、男性がゴールデン・レトリバーとゆっくり散歩している写真

最期の日、僕も位牌の前で一晩泣きじゃくりました。
それでも、「きっとお互い幸せだったよね」と思えたから、少しずつ心は落ち着いていった気がします。

だからこそ、僕はこの考え方を多くの飼い主さんに伝えたいと思っています。

ペットロスで後悔しないために大切なのは、特別な延命措置や高価なことだけではありません。
むしろ日々の中で、

  • 一緒に過ごす時間を大切にすること
  • 愛犬の気持ちを知ろうとすること
  • その子に合った楽しみや趣味を見つけること
  • 「また今度」ではなく、今日できることを積み重ねること

そうした毎日の積み重ねこそが、最後に自分を支えてくれるのだと思います。

僕が飼い主さんに「愛犬との趣味づくり」をおすすめしているのも、まさにそのためです。

お出かけでもいい。
遊びでもいい。
一緒に学ぶことでもいい。
トリミングやお手入れの時間ですら、見方を変えれば大切なコミュニケーションになります。

犬は、とても感情に敏感な生きものです。
だからこそ、天国に行ってまで飼い主さんを心配させないように、きっと願っているはずです。

「うちの子、幸せだったよ」
そう笑って伝えられるように。

いつか来る別れの日のためにではなく、
今を、ちゃんと一緒に生きるために。

今日から、愛犬との思い出を少しずつ増やしていきましょう。

まとめ

ペットロスを完全になくすことはできません。
大切な存在を失うのですから、悲しくて当たり前です。

でも、その悲しみを「後悔」ばかりにしないために、今からできることはあります。

愛犬との毎日を大切にすること。
一緒に笑える時間を増やすこと。
その子にとっての幸せを考え続けること。

その積み重ねが、いつか別れの日を迎えたときに、
「寂しいけれど、幸せな犬生だったよね」
そう思える力になるのではないかと、僕は思っています。

これからもOne for Dogでは、愛犬との暮らしを“今この瞬間から”よりよくしていくためのお手伝いをしていきます。
大切な毎日を、大切なままで積み重ねていきましょう。