夏になると、愛犬と一緒に川や海へ出掛ける機会が増えてきます。
水辺で遊ぶ愛犬の姿はとても楽しそうですが、その一方で、この時期は毎年、水難事故も少なくありません。
そんな時によく耳にするのが、
「犬は泳げるから大丈夫。」
という言葉です。
確かに犬には、本能的に「犬かき」をする能力があります。
しかし、それは「どんな状況でも安全に泳げる」という意味ではありません。
犬種や年齢、体力によって泳ぎの得意・不得意は異なりますし、水の流れや波、急な深みなど、人間と同じように危険な状況はいくらでもあります。
だからこそ、「犬だから大丈夫」という思い込みが、水難事故につながることもあるのです。
犬にも泳ぎが得意な子、苦手な子がいる

ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなど、水辺での作業を目的に改良されてきた犬種は、比較的泳ぎが得意だと言われています。
一方で、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種は、呼吸がしづらく体型的にも泳ぎはあまり得意ではありません。
また、子犬や高齢犬、その日の体調によっても、水遊びが負担になることがあります。
つまり、「犬だから泳げる」のではなく、それぞれの犬に合わせた判断が大切なのです。
泳げる犬でも事故は起こる

以前、お客様に、川遊びが大好きなゴールデンレトリバーがいました。
木の枝を投げると勢いよく飛び込み、楽しそうに取ってくる姿は、まさに泳ぎの名手でした。
ところがある日、台風の影響で近所の小川が冠水しました。
その子は外でしか排泄ができなかったため、飼い主さんはいつもの散歩コースへ向かいました。
しかし、その日の川は、普段とはまったく違う姿でした。
水は大きく増水し、流木や枝が激しく流れています。
その枝を見つけた瞬間、愛犬はいつもの遊びだと思い込み、反射的に川へ飛び込もうとしたのです。
幸い、すぐに引き止めることができましたが、一歩間違えれば流されて命を落としていてもおかしくありませんでした。
この子は泳げなかったわけではありません。
むしろ、泳ぎは得意な犬でした。
それでも事故は起こりかけました。
水辺で大切なのは、「泳げるかどうか」ではありません。
その日の天候や川の状況を見極め、安全に遊べる環境かどうかを飼い主さんが判断すること。
それが愛犬の命を守ることにつながります。
水辺で愛犬を守るために

夏の水遊びを安全に楽しむために、次のことを心掛けましょう。
- 「犬は泳げるから大丈夫」と思い込まない
- 犬種や年齢、体力に合わせて無理をさせない
- ライフジャケットを着用する
- 初めての場所ではリードを外さない
- 水の流れや深さ、天候を事前に確認する
- 台風や大雨の後は水辺に近づかない
ほんの少しの準備や判断が、大切な命を守ることにつながります。
まとめ

犬には本能的に「犬かき」をする能力があります。
しかし、それだけで安全に泳げるとは限りません。
水辺の事故は、「泳げない犬」に起こるものではなく、「犬だから大丈夫」という思い込みから起こることもあります。
これから迎える川遊びや海遊びのシーズン。
愛犬との時間を思い切り楽しむためにも、安全対策まで含めて水遊びを楽しんでいただければと思います。


