今回は、「 犬のしつけ 完璧を求めすぎる ?」というお話。
早速ですが、僕が犬のしつけで最も重視している“優先順位”はこちらです:
- 人に対して攻撃行動をとってはいけない
- 人に対して迷惑をかけてはいけない
- 家族に対して迷惑をかけてはいけない
つまり、攻撃行動(咬む・唸る・犬歯を見せる)は、どんな状況であっても“絶対にNO”と教えるべきです。
\行動学的にはこんな分類になります/
- 優位性攻撃(支配欲・アルファシンドローム)
- 防御性攻撃(恐怖・逃げ場なし)
- 捕食性攻撃(狩猟本能)
- 遊戯性攻撃(過剰な遊びの延長) ※諸説あります
この中でも特に“優位性攻撃”は容認できません。感情を暴力で表現してしまうと、それが癖になってしまうからです。
しつけは「学習」です
僕はしつけを義務教育に例えて、次のように区分しています:
- 〜6ヶ月:小学校(社会の基本を教える)
- 〜12ヶ月:中学校(反抗期あり、でもまだ教える)
- それ以降:高校・大学(個性を伸ばす)
人間同様、犬にも思春期があります。なので“覚えたはずのこと”がぶり返すのも当然なんです。
1才までの時期は、とにかく「悪い習慣を覚えさせない」という点が大切。義務教育は、飼い主さんの義務でもあると考えています。
でも…求めすぎていませんか?
しつけ教室でよく聞くのが、こんな言葉たち:
「全然吠えがなくならない!」
「イタズラが全く収まらない!」
「引っ張りグセが止まらない!」
でもちょっとだけ、振り返ってみてください。
- 吠える頻度、少しは減っていませんか?
- 引っ張り方、ちょっとはマシになってませんか?
10点でも上がっていたら、それは立派な進歩。
それを「まだ完璧じゃない!」とダメ出ししてしまうのは、実は飼い主側の“完璧主義”だったりします。
義務教育が終わったら「個性」を育てよう
小中学校(〜1才)を卒業したら、次は“自分らしい学び”のステージへ。
- アジリティ
- ノーズワーク
- カニクロス
こういったトレーニングは、しつけの延長線にある「思い出作り」でもあります。
そのポジティブな記憶が、いつかやってくる“別れの時”に、飼い主さんを救ってくれるはずです。
※ペットロスの多くは“後悔”から生まれます
だからこそ、まずは“義務教育”をきちんと受けてから、愛犬と楽しめる世界を広げていきましょう。