犬を愛するあまり、つい熱心になってしまう日々のお手入れ。しかし、行き過ぎたケアは思わぬトラブルを招くことがあります。
この記事では、トリマー業界でよく使われる「オーバートリミング」という言葉をきっかけに、愛犬家にも知ってほしい“過剰なお手入れ”のリスクについて解説します。
トリミングとグルーミングの違い
まず基本として、「グルーミング」はケア全般(爪切り・シャンプー・耳掃除など)、「トリミング」は被毛を整える作業を指します。ただし、トリミングは単なるカットにとどまらず、犬の体型や特徴を活かしたデザインカットという側面も。
例:
- 足を長く見せるためのライン作り
- 垂れ耳に見せる飾り毛の調整
- 噛み合わせを整えて見せるマズル周りのボリューム
この“盛る”という感覚が行き過ぎると、「オーバートリミング」として逆効果になることもあります。
一般家庭に潜む「オーバーケア」の実例
トリマーだけでなく、飼い主さん自身にも同じような傾向が見られるようになってきました。
特に多いのが以下の2点です:
▼ 足先の過剰洗浄

- 毎回の散歩後にシャンプーを使って洗う
- 清潔さを保ちたいという気持ちが裏目に
- 皮膚の油分が失われ、乾燥・炎症を引き起こすことも
▼ 顔周りの拭きすぎ

- ウェットティッシュや除菌シートで頻繁に拭く
- 化学成分が皮膚に刺激となり、かぶれや脱毛の原因に
対策と心がけたいこと
- 清潔は大切だが「必要以上」は逆効果
- 肌トラブルが起きていないか、日々の観察を
- 季節や体調によってケア方法を変える意識を
飼い主さんの“優しさ”や“愛情”が、過剰なケアにつながってしまうのは本当にもったいないことです。
正しい知識と、今の愛犬の状態を見極める感覚を養っていきましょう。