厳しい暑さが続く季節。
早朝や夜になっても気温が下がらず、愛犬との散歩を短くしたり、外出を見送ったりする日も増えているのではないでしょうか。
犬にとって散歩は、運動をするだけの時間ではありません。外の匂いを嗅ぎ、周囲を観察し、さまざまな刺激に触れる大切な機会でもあります。
そのため散歩の時間が減ると、体力を持て余すだけでなく、刺激不足から落ち着かなくなったり、吠える、物をかじる、飼い主さんにしつこく遊びを求めるといった行動が見られることがあります。
そんなときに役立つのが、おうちの中でできる「テンションコントロール」です。
単に疲れさせるのではなく、楽しく遊ぶ時間と気持ちを落ち着ける時間をセットにして、愛犬が自分で気持ちを切り替えられるようにしていきましょう。
「落ち着いて!」だけでは落ち着けない
遊びや来客などで興奮している犬に、つい「落ち着いて」「静かにして」と声をかけたくなることがあります。
しかし、すでに気持ちが高ぶっている状態では、飼い主さんの声が届きにくくなります。特に子犬や若い犬は、感情や行動を抑えることがまだ得意ではありません。
これは、わざと言うことを聞かないのではなく、「どうすれば落ち着けるのか」をまだ知らない状態です。
大切なのは、興奮してから叱って止めることではありません。
普段の遊びの中で、
「遊び始める」
「いったん止まる」
「飼い主さんに注目する」
「もう一度遊ぶ」
「最後は休む」
という流れを繰り返し、気持ちの切り替え方を経験させることです。
おうち遊びは“激しさ”より“頭と鼻”を使おう
散歩に行けなかったからといって、室内で激しい運動を続ければよいとは限りません。
ボールを何度も追いかけるような遊びは、犬によっては興奮が高まりすぎて、遊びを終えたあともなかなか落ち着けないことがあります。
暑い日のおうち時間には、頭や嗅覚を使う遊びがおすすめです。
1.フードを探す「宝探し」

愛犬に待っていてもらい、部屋の数か所にフードやおやつを隠します。最初は見つけやすい場所から始め、「探して」の合図で探してもらいましょう。
匂いをたどって自分で見つける遊びは、広いスペースがなくても楽しめます。
慣れてきたら、タオルの下や箱の中など、安全を確認したうえで隠し場所を少しずつ工夫します。
2.知育トイや手作りパズル
知育トイにフードを入れたり、丸めたタオルの間にフードを隠したりして、犬が考えながら取り出せるようにします。
最初から難しくしすぎないことがポイントです。うまくできない様子が続く場合は、簡単な方法に戻して成功させてあげましょう。
段ボールや紙筒を使う場合は、誤飲しないよう必ず見守ってください。
3.引っ張りっこでONとOFFを練習

引っ張りっこは、遊びながら気持ちの切り替えを教えやすい方法です。
まずは「どうぞ」などの合図で遊びを始めます。数秒遊んだら動きを止め、愛犬がおもちゃを離したり、飼い主さんを見たりするのを待ちます。
落ち着く行動ができたら褒め、再び遊びを始めます。
遊びを取り上げることが目的ではありません。「落ち着くと楽しいことが再開する」と覚えてもらうことが目的です。
無理に口からおもちゃを取り出したり、興奮した愛犬を押さえつけたりする必要はありません。
“何もしない時間”も練習になる

おうち遊びで意外と忘れられやすいのが、遊びの終わり方です。
たくさん遊んだあと、そのまま興奮した状態で終わらせるのではなく、最後にフードをゆっくり探す時間や、マットの上で休む時間をつくってみましょう。
愛犬が伏せる、体の力を抜く、静かに飼い主さんを見るといった行動を見せたら、穏やかに褒めます。
「フセの姿勢を長時間我慢させる」のではなく、愛犬が自分から見せた落ち着いた行動を見つけて褒めるのがコツです。
毎日のスキマ時間に短く繰り返すことで、「ここでは休めばいい」と少しずつ理解できるようになります。
遊びすぎにも注意しよう
室内であっても、長時間の激しい遊びは体温の上昇につながります。
エアコンなどで室温と湿度を適切に管理し、新鮮な水をいつでも飲めるようにしておきましょう。滑りやすい床では、マットを敷くなど足腰への負担にも配慮します。
また、次のような様子が見られたら、一度遊びを中断してください。
- 呼びかけへの反応が鈍くなる
- 動きがどんどん激しくなる
- おもちゃを離せなくなる
- 吠える、飛びつく、甘噛みが増える
- 呼吸が荒く、なかなか戻らない
興奮が高まりきる前に休憩を入れることが、上手なテンションコントロールにつながります。
おやつやフードを使う場合は、その分を普段の食事量から調整しましょう。
散歩に行けない日も、愛犬との時間を楽しもう
暑い日のおうち遊びは、散歩の完全な代わりになるものではありません。
気温や路面の状態を確認しながら、無理のない範囲で外の匂いや空気に触れる機会も大切にしてください。
そのうえで、おうちでは「たくさん興奮させて疲れさせる」ことだけを目指さず、鼻や頭を使う遊びと休息をバランスよく取り入れてみましょう。
遊ぶときは楽しく遊び、終わったらゆっくり休む。
このONとOFFを飼い主さんと一緒に経験することが、さまざまな場面で落ち着いて行動するための土台になります。
愛犬の興奮がなかなか収まらない、遊びを終えられない、吠えや甘噛みが増えて困っているという場合は、One for Dogのしつけ教室へご相談ください。
愛犬の性格や生活環境に合わせて、犬も人も楽しみながら続けられる方法を一緒に考えていきましょう。


